インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする感染症です。普通のかぜよりも症状が強く出て、毎年のように流行しますが、その年によって流行するウイルスの型が違います。
飛沫感染(咳やくしゃみなど)や接触感染で感染します。
1〜4日(平均2日)
ノドの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、頭痛など、普通の風邪と同じような症状がみられますが、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛といった全身症状が強いのが特徴的です。特に、発熱は多くの場合38℃以上の高熱ですが、微熱程度のこともあります。合併症には脳炎、気管支炎、肺炎などがあります。
インフルエンザ迅速診断キットで判定します。
ただし発症早期に検査した場合は体内でウイルスの量が少ないために感染していても陰性になることがあります。
発症48時間以内であればインフルエンザウイルスに直接働く抗インフルエンザウイルス薬を使用することで発熱の期間が短縮されます。
抗インフルエンザウイルス薬の形(剤形)には、飲み薬と吸入剤があります。年齢や症状により使い分けをします。
発症後5日を経過しかつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで。
解熱剤は脳症の重症化を招く危険があるため、使用はアセトアミノフェン(カロナール、アルピニー座薬など)に限られます。
小児・未成年者においてインフルエンザ発症後に薬の服用の有無にかかわらず「異常行動」などの精神・神経症状が発現することが知られており、発熱後数日(多くが2日以内)に起こることがあるため少なくとも2日間は小児・未成年者を就寝中も含め1人きりにさせないようにしてください。
RSウイルス感染により秋~冬期を中心に流行し、主に乳幼児が感染し、呼吸困難に陥ることもある呼吸器感染症。
生後1歳までにほぼ半数以上の新生児が罹患し、2歳までにほぼすべての小児が1度は感染するといわれています。通常、発熱、鼻汁などの症状が数日続き、多くは軽症で済みますが、重くなる 場合には、その後咳がひどくなり、喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展します。
重症化した場合は入院治療・呼吸管理を必要とする場合もあります。
4〜6日
接触感染が主であるが、飛沫感染でも感染します。
1歳未満の乳児や入院患児等には抗原迅速診断キットを用いた検査が可能です。
特別な治療薬はなく対症療法(症状を和らげる治療)を行います。
中耳炎を合併することが多いため鼓膜所見のチェックも重要です。
咳などの症状が安定した後、全身状態が良ければ登校(園)可能ですが、手洗いをしっかりしましょう。
症状の代表的なものは、発熱(38〜39℃)と“のど”の痛みです。のどはただの風邪よりも真っ赤になっていることが多く検査をします。また体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりすることもあります(イチゴ舌)。
実際に感染してからだいたい2〜4日で症状がでます。
咳やくしゃみなどで近くの人に感染(飛沫感染・接触感染)します。きょうだいや家族間で広がることがあります。
溶連菌抗原迅速診断キットで診断することが可能です。
溶連菌には抗生剤が良く効きますが、決められた期間はしっかり薬を飲んでおかないと、ときに、心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった続発症(合併症)につながることもあります。しかし、これら続発症は現在ではとてもまれなものになりました。しかし通常の、のど風邪よりも長めに抗生剤を処方しますので下痢などの副作用がなければ、最後まで飲み切りましょう。
発症後2-3週間で小児科を受診し検尿をしてもらいましょう。
また血尿やおしっこがでない、むくみがでたときにはすぐに小児科を受診しましょう。
登校・登園は抗生剤内服後24時間を経過して全身状態が良くなれば可能です。
咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主とするアデノウイルス感染症です。季節的に地域で流行することもあり、プールでの感染も多く見られることからプール熱とも呼ばれます。
発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、流涙、眼脂などを訴え、3~5日間程度持続します。眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現します。
2〜14日
接触感染、飛沫感染。また、プールでの目の結膜からの感染もあります。夏季に多い感染症です。
症状から診断しますが、アデノウイルス抗原の迅速診断キットもあります。
特別な治療薬はなく対症療法(症状を和らげる治療)が中心になります。
のどが痛くて、熱も高いので、食欲がなくなることもあります。プリンやゼリー、アイスクリームなど、飲食できるものをあげましょう。水分を十分に飲ませましょう。
主要症状が消退した後2日を経過するまで
コクサッキーウイルス、エンテロウイルス感染により口腔粘膜や手足に水泡や発疹を認める病気です。
発熱と口腔・咽頭粘膜に痛みを伴う水疱ができ、唾液が増え、手・足末端や臀部に水疱がみられるのが特徴。
発熱はあまり高くはならないことが多く、ふつう 1-3日で解熱します。発疹は通常約1週間で消えます。
3〜6日
経口感染、飛沫感染、接触感染。流行のピークは夏。
ウイルスを特定する検査はなく、症状から診断します。
特別な治療薬はなく対症療法(症状を和らげる治療)で自然回復を待ちます。
ウイルスは咳や鼻汁から 1〜2週間、便からは数週から数か月間、排出されます。そのため、流行の阻止のための登校(園)停止は有効性が低く、本人の全身状態が安定している場合は登校(園)可能です。
ただし、手洗い(特に排便後)をしっかりしましょう。
コクサッキーA群ウイルス感染により咽頭、口腔内粘膜に水痘・潰瘍を形成するのが特徴の熱性疾患です。乳幼児に多く見られる夏かぜの代表。
突然の発熱(39℃以上)、咽頭痛。咽頭に赤い発疹がみられ、次に水疱となり、間もなく潰瘍となる。痛みのために哺乳不良・食欲低下や不機嫌などを示し、脱水をきたすことがあります。
3〜6日
経口感染、飛沫感染、接触感染。春から夏に多く感染します。
ウイルスを特定する検査はなく、症状から診断します。
特別な治療薬はなく対症療法(症状を和らげる治療)で自然回復を待ちます。
ウイルスは咳や鼻汁から 1〜2週間、便からは数週から数か月間、排出されます。そのため、流行の阻止のための登校(園)停止は有効性が低く、本人の全身状態が安定している場合は登校(園)可能です。
ただし、手洗い(特に排便後)をしっかりしましょう。。