まずは診察で鼓膜を観察し、難聴の原因と聴力低下の程度を評価します。
そのうえで慢性中耳炎や耳垢など今、改善すべき問題があればまずその治療を行います。
年齢による難聴などで特に治療すべき病気のない場合は聞こえの程度により補聴器の使用を考えます。どの程度の聴力になったら補聴器を使えばよいかは、一応の目安はありますが、その人の生活状況によって異なります。
会話・コミュニケーションに困るようになったら使用する、いわば歩行時の杖のようなものなので、検査結果で一律に使用を決めるわけではありません。
補聴器は形、機能もいろいろなタイプがあります。多機能なものは非常に高価になりますが、高価なものを選ぶことよりご自分に合った機能・形のものを選び、しっかり調整することが大切です。聴力は人により低下している周波数と程度が異なりますのでそれに合わせた調整が必要なのです。
このため、すべての高さの音の大きさをあげてしまう集音器や他人の補聴器を使用してもうるさいばかりで使えないということになります。
当院では補聴器を調整しながら貸し出しを行いますので、使用できるようであれば購入を検討してください。
当院は日本耳鼻咽喉科学会認定の補聴器相談医・医院ですのでお気軽にご相談ください。
補聴器購入時には、公費負担制度があります。難聴が重く聴力検査で身体障害者の認定基準に該当する方には、聴力に見合う補聴器を購入する際に、一定額の費用が市町村から支給されます。診察の上、該当する方には、その旨をお伝えします。居住する市町村の福祉関係窓口で申請用の定型診断書を受け取って持参して頂き、当院で診断書作成の上、後日、申請窓口で申請して頂きます。